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モレスキンと出た旅の話。 3日目(秋田編)

 

初めてのカプセルホテルは非常に快適で、

前日の跳人やらの疲れが吹っ飛んだ。

 

今日は白神山地へ向かう。

世界遺産ということでどんな光景が広がっているんだろうと

胸はすでに高まっていた。

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カプセルホテルで朝食をとり、

朝風呂をあびて準備をする。

 

こんな夏日に白神山地に上るのは

なかなかなチャレンジャーだな、と自分でも思う。

 

身支度を終えて弘前駅のバスロータリーへ向かう。

 

途中「万茶ン」という有名な喫茶店があるのだが、

営業時間を調べるため寄ってみたが臨時休業とのことだった。

なんでも太宰治が愛した喫茶店だというのに、

残念でならなかった。

 

店主もこのねぷた祭りを楽しみたいのだろう。

弘前地方はねぷた祭りと呼ぶらしい)

 

さて、弘前駅に着く前に一体僕はいくつのリンゴを見てきたのか。

時計台もリンゴで手すりもリンゴ。挙句の果てにはポストまでリンゴ。

リンゴの悪夢に苛まれながら僕はバスを待つ。

 

チャレンジャーは僕のほかにもたくさんいた。

僕と同年代くらいの若いカップルやらが多かったのが印象に残る。

 

早速バスに乗り込んで白神山地へ向かう。

かれこれ1時間ほど乗るらしい。

僕は弘前の街並みを見ながらiPhoneを取り出した。

僕はここへ来る前にいくつかの音楽をダウンロードしてきた。

要は夏の旅プレイリストだ。

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それをシャッフル再生する。

いくつかよく聞く歌が流れて僕の気分は高揚した。

その時だった。

 

androp “yeah yeah yeah”

 

www.youtube.com

この曲が流れた。

あの時の衝撃は凄まじかった。

 

決してバラードのようなしっとりした歌ではないのに、

励まして僕の背中を押してくれるような歌なのに、

僕は不意に涙がこぼれた。

 

僕はここにいる誰も知らないし、

誰も僕のことを知らない。

 

僕を知っていて心配してくれる人は

すぐそばにいないこと。

 

それを物凄い勢いで再確認した。

 

僕はここに一人なんだと。

僕は一人でいるんだと。

 

その孤独感が、

わかっていたはずの寂しさが僕を襲った。

 

僕はなにか変われたのか。

変わったとして、何が変わったのか。

 

ぐるぐるとそんなことばかり考えるようになってしまった。

 

だけれど、そんな僕にこの歌は

と投げかけてくれた。

 

ここまできたらやれるところまでやろうと

そのとき強く思った。

 

 

バスの車窓から流れ込んでくる風がだんだんと冷たくなっていくのを感じた。

周りの景色も家屋から田んぼや畑が多くなり、

山々はその雄々しい姿を惜しみなくさらけ出す。

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東北本線に乗った時と同じ感じだ。

東京にいたら絶対に気が付かなかった自然の力強さを。

 

バス停に到着した。

そこにはログハウス調の休憩所と、

ちょっとした公園、コンテナみたいな軽食堂があった。

 

ここから来た道を少し戻ると白神山地の入り口にいく。

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白神山地入り口まで来た。そこには水飲み場のような場所がある。

しっかり冷えていておいしい湧き水。

僕はこれを持参の水筒に入れて持って帰った。

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ここから白神山地を上っていくのだが、

前日の雨で立ち入り禁止の場所があったり、

足元がぬかるんでいたりしてなかなか大変だった。

 

しかし、そこに広がる世界は絶景だった。

月並みな感想になるが、鬱蒼とした山の中というより

ジブリの世界観に近いような気がした。

 

ここは現実の山の中のはずなのに、

どこか別世界にいるような錯覚に陥っていた。

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ブナというのは今では数が少なく、貴重であるらしい。

それがこの白神山地では自生しているというので有名なのだが、

このブナを拝めるのは山の中腹当たりだった。

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山の傾斜にある階段を上って、それはやっと姿を現した。

夏に行ったということもあって辺りは緑一面。

太陽の光を我が物にしようと精一杯葉を拡げて背を伸ばす。

そんな大木がいくつもあった。

そんな葉先からは陽光が漏れ出して、

まるで僕を探しているみたいだった。

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オッコトヌシとかでてきそうだなあ、とか思ったり。

 

折角の白スニーカーも気が付けば泥で汚くなっていた。

ジーンズも汗を吸ったり、前日の硫黄やらで異臭をまき散らして。

 

途中川があったから浸かってやろうかと思うほどに臭いがすごかったが、

帰りのバスの迷惑となると思ってやめておいた。

 

白神山地散策コースなるものを一周して、

僕は先ほどのロータリーまで戻る。

 

小腹がすいたので、恐る恐るコンテナのような軽食堂に入る。

なんだか青森の様々な名産品や漬物やらが売ってあった。

中でも鮎の塩焼きも売っていて、食べてみたかったが

平日ということもあり売り切れているという。

 

僕は気を取り直して「リンゴラーメン」を注文する。

このリンゴラーメン、軒先に看板を立てかけてあるほど目玉商品らしい。

一体どういうことかと店主に聞いてみると、

なんでも麺にリンゴエキスを混ぜ込んであるらしい。

しかもこれで500円! コスパの鬼だ。

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さっきまでトレッキングしてきたので

汗ぐっしょりだった僕は、tシャツを乾かすべく

太陽さんさんのテラス席でアツアツのラーメンをいただいた。

 

一口ラーメンをすする。

吃驚した。まじでリンゴ。

 

ラーメンをすすると小麦の香りが少なからず香ると思うが、

これは香りすべてがリンゴの甘いそれなのだ。

味が甘いわけではなく、香りが甘い。

それでいてスープは醤油のシンプルなもの。

香りが甘いのに味はしょっぱいという不思議なコンビネーションに

僕は頭に疑問符を浮かべながらたべるのだった。

 

結局僕が食べていたのがリンゴ味のラーメンなのか

ラーメン味のリンゴなのか分からずに完食した。

 

そのあとは、あまりの暑さに頭がおかしくなりそうだったので、

ログハウス調の休憩所に入ってみると、

リンゴソフトとかが売っていたので買ってみる。

リンゴのさわやかな香りがすっきりとさせておいしい!

 

そんなこんなでバスの時間がやってきて、

だいぶ早いけど大丈夫だろうと乗り込むと、運転手に

「途中までしか行かないけれど平気?」

と言われてしまった。

いち早く帰りたかった僕は大丈夫です、なんて答えたが

バスが止まったのはなんと小学校と役所が一緒にあるような場所。

一体何をして時間をつぶせばええんや! なんて思いながら仕方なく降りる。

 

この照り付ける太陽の下にいたら茹蛸になりそうだったので、

手ごろな木陰に入って、撮った写真を見返したり、

モレスキンにいろいろ書いたり、ロディアにペンを走らせたりしていた。

 

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風が心地よかった。

木陰というのもあって、通りすぎる風は僕を優しく撫でた。

 

あまりにも退屈だったのでiPhoneで静岡に住むおばあちゃんに電話をかけた。

僕は普段あまり電話なんてしないから最初オレオレ詐欺かなんかかと思われてしまった。

おばあちゃんに今青森にいるよ、って言ったけれど

全然信じてくれなかった。リンゴだらけで夢に出そうだ、とも言ったら

おばあちゃんは笑ってくれた。

 

そんな風に多分1時間くらい待ったんじゃないかな。

 

途中木陰で休む僕をそこの小学校に通う児童に

怪奇の目で見られたけれど、僕は気にしてなんかない。

気にしてなんかないさ。

 

水筒の中身の湧き水が尽きそうになったころにバスは来てくれた。

 

僕はそれに乗って弘前駅まで戻る。

もちろん車内ではぐっすりだった。

 

早めのバスで帰ってきたこともあって、

絶対に青森に来たら食べたいものがあったのでそれを巡る。

もちろん、アップルパイだ。

 

これだけリンゴ推しされたり、ラーメンでさえリンゴ風味を食べると

本物はどんなのなんだろう、と気になってしょうがなかった。

 

前にも書いたが行きたかった「万茶ン」は

臨時休業のため残念だったが、弘前駅付近は

かなり喫茶店(特にアップルパイが置いてあるところ)が

充実していた。

 

その中でも有名な“le castle factory”というお店と、

“ブルマン”というお店の二つ行った。

同じアップルパイを売りにしていても

全く違う別物だった。

このレビューはこちらにアップする。

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そんなこんなであまりにも居心地が良すぎて

長居してしまったばっかりに今は電車の時間に追われている。

途中タクシーを使おうかと思うくらいに切羽詰まっていたのに

道中に「ねぷた祭り」の準備であるだろうダシが

大通りを”歩いていた”

そう、あの大きなダシは人力で引いていくので

そこそこ交通量の多い通りをゆっくりと練り歩いていた。

 

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僕はそれを横目に見ながら駅へ向かう。

はっきり言って足はもうだいぶ疲弊しきっている。お疲れだ。

 

そのかいあってか電車の時間に間に合ってなんとか特急つがるに乗る。

これで秋田駅まで行き、着くころにはちょうど「竿燈(かんとう)祭り」が

行われているということだ。

 

2時間ほどそれに乗っているとちょうど僕の席からは夕焼けが見えた。

今まで様々な夕焼けを見てきたと思ったが、

田んぼの向こうに沈んでいく夕焼けは初めて見たかもしれない。

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僕はそれを見届けながらモレスキンに綴った白神山地での出来事を見返す。

僕はこの時もiPhoneで例のプレイリストを聴いていた。

 

秋田駅に到着した。

びっくりしたのは駅がめちゃくちゃきれいだったことと、

やけにアーティスティックだったことか。

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僕は全然わからないのだが、駅構内にあった模型。 

 

あとは駅を行き来する人のほとんどが浴衣を着たりしていたので、

その流れに乗って行ってみるとしばらく歩いたところの橋をまたいだ先で

なんだかどんちゃん騒ぎをしていた。

近づいて驚いたのは、竿燈は男一人で担いでいることだった。

 

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傘でバランスゲームはしたことあるだろうか。

その要領で5m近くありそうな巨大な竿燈を一人で支えている。

 

もちろんバランスを崩せば近くの竿燈と衝突してしまったりするわけだが、

どうやら観客を眺めているとそれも醍醐味の一つらしい。

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あまりの人だかりに疲れてしまったぼくは列から外れて

ババヘラアイスを食べてみた。

シャーベットのようなアイスクリームのような

不思議な食感。すうっと溶けて感じるレモン味がさわやかだった。

 

竿燈祭りはどこまでもそれが続いていた。

大通りの果てまで男が大きな竿燈でバランスゲーム。

眺めは壮観だったが、道が狭いうえに人が多すぎて

祭りを楽しんでいられる雰囲気ではなかった。

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僕はとりあえず辺りを散策していると出店が集まっているところがあったので

そこへ寄ってみて有名なきりたんぽやら横手焼きそばやらをたべてみた。

正直祭りの出店のレベルなのであれが本物かどうかはわからないが

ファーストフードであるのは間違いなかった。

それでもおいしかったけどね。

 

弘前から来たので竿灯祭りは途中参戦になってしまい、

滞在時間は短かったがどうやら終了になったようだった。

 

そこそこ写真を撮ったから良しとしよう。

とにかく今は温泉に浸かりたい。

 

ということで温泉に探すが、

スーパー銭湯が一つあるくらいだった。

竿燈の会場と銭湯はそこそこ離れていたので途中休憩しながら行ったが、

着いたら着いたで大盛況だった。

祭りの人がそのまま流れてきた感じだった。

 

仕方ないながらも入ってみると大きい浴場だったので

そこまで窮屈に感じなかった。

地元の高校生やらが多かったのできっと定番コースなのだろう。

 

今日の疲れを癒して、銭湯から出ると0時を回っていた。

もう人通りは少なく、何よりも気温が快適だった。

夏とは思えないほどに涼しく、また湿気も少ない。

湯上りにとっては極上の環境。物凄く気持ちよかった。

 

そんなこんなで駅前のネットカフェまで向かう。

今日は山上ったり人ごみにもみくちゃにされたりしたから特に疲れた。

 

温泉からネットカフェまでそこそこ歩いて、さあ寝れると思ったら満席。

下の階のビジネスホテルに泊まろうとしても満席。

これはやばい。 今思えばカラオケとかでもよかったはずなのだが、

僕はその時ネカフェ=宿みたいな方程式ができちゃっていたので、

必死になってネカフェを探した。

 

すると1軒だけヒットした。ここから約3km。

このくそ疲れている中で3km先のネカフェまで歩くのはしんどすぎた。

歩くしかないのでただひたすら黙々と向かう。

人気のない真っ暗な道をひたすら進んでいくのは

心が折れそうだった。

 

やっと着いてこれで寝れる! と思ったのもつかの間。

フラットシートは満席。空いているのはリクライニングシートしかないとのこと。

しかもそこはロビー付近なので消灯できないと言われ、

もう僕は半分放心状態。

仕方ないので承諾すると、会員証が必要と言われ

うつらうつらとデバイスを操作する。

 

なんやかんやでやっと席に案内されたが、

古いタイプのマッサージチェアだったため

腰に球状のなにかが常に当たっている状態になった。

しかもマッサージチェアなので手足を固定されて

寝返りをうてない。

 

僕はもう寝たのか寝てないのかよくわからない

目を瞑って動かない状態で3時間ほど過ごす。

 

ちょっとでもいいから寝たかったなあ。

気が付けばもう出発時間に近づいていた。

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